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建国譚 ~古のローマ

[2 bookmark]    [82 拍手]  投稿者:八楽 蒼

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昔、アエネアスという青年がいた。
麗しき女神ウェヌスを母に持った青年は、トロイア落城を逃れ、ラティウムでの戦いを経て、
妻ラウィニアの名を冠した街、ラウィニウムを築いた。
彼の後を継いだ息子、アスカニウスは新天地を求め、アルバ・ロンガという街を築いた。
それより、二百年の後──アエネアスから数えて十六代目の王、
アムリウスは自らの兄にして共同統治者のヌミトルを追放、飽き足らずして、彼の子をすべて殺したのだった。
しかし、ここにひとり、死を免れた娘がいる。娘の名はレア・シルウィア──
哀れ、彼女は子を生すことを怖れたアムリウスによって、ウェスタ神殿の巫女にされてしまう。
子を産むことは愚か、嫁ぐことすら禁じられた娘はある時、聖なる森の河岸で眠りに落ちた。
……果たして、それは運命だったのか、それとも、ただの偶然に過ぎなかったのか。
レアは軍神マルスの子をその身に宿した。
当然のように激怒する王、アムリウス──だが、彼女はまたしても死の運命を免れた。
月満ちて生まれた双子は、小舟に乗せられ、ティベレ河に流されたが、折りからの風にあおられ、
下流の平野の岸へと無事に辿り付いた。そうして、軍神マルスの遣わした雌狼から乳を与えられ、
やがて、ファウストゥルスに拾われ養われる。
成人した双子──ロムルスとレムスは、自らの身の上を知るや、
アルバ・ロンガに立ち戻ってアムリウスを討ち、祖父ヌミトルにその王位を返したのである……。

今は昔の物語。七つの丘に拓けたローマの街に陽が昇る。
今日も、新たな物語が紡がれて行く──。




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